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「事務なら定時で帰れそう。簿記も持っているし、向いているかもしれない」
教員を辞めたいと思ったとき、転職先として事務職を思いうかべる先生は多いのではないでしょうか。パソコン作業には慣れているし、残業も少なそう。子育てとも両立しやすそうに見えます。
- 定時で帰れる仕事への憧れ
- 資格を生かしたい気持ち
- 教員の経験が通用するかの不安
- 給料が下がることへの心配

事務なら、今より楽に働けるのかな…。

私も簿記2級を持っていたので、辞めるときに事務の求人を見てみました。
でも、私は事務職を選びませんでした。時間・給料・やりたいこと、その3つのどれにも当てはまらなかったからです。
この記事では、教員から目指せる事務職の種類と、私が選ばなかった3つの理由、事務職に向いている人・向かない人をまとめました。事務を選ぶ人にも、選ばない人にも、判断の材料にしてもらえたらうれしいです。
教員から目指せる事務職

ひとくちに「事務職」といっても、仕事の中身はさまざまです。会社の書類やデータを扱う仕事もあれば、お金の記録を専門にする仕事もあります。
求人を探すときは、「事務」という名前だけで決めずに、どんな仕事をするのかまで確かめることが大切です。ここでは、教員から目指しやすい事務職を4つ紹介します。

一般事務と営業事務
一般事務は、書類づくりやデータ入力、電話や来客の対応などを幅広く担当する仕事です。営業事務は、営業担当の人を支える仕事で、見積書や請求書をつくったり、取引先とのやりとりを手伝ったりします。
どちらも、パソコンで文書や表をつくる力が役立ちます。学校で通知表や学級通信、行事の計画をつくってきた先生なら、なじみやすい作業も多いはずです。
経理事務と会計事務所
経理事務は、会社のお金の出入りを記録する仕事です。伝票の整理や会計ソフトへの入力、毎月のお金の集計などを担当します。
経理を目指すなら、簿記の知識が大きな強みです。未経験からなら、簿記2級を取って会計事務所から始めるという道を選ぶ人もいます。会計事務所では、お客さんの会社の帳簿を入力したり、確認したりする仕事が中心です。
学校事務という道
学校事務は、学校のお金の管理や備品の管理、電話の対応などを担当する仕事です。栃木県が紹介している学校事務職員の体験談には、子どもたちと関わる場面が多いという声もあります(栃木県の資料)。
公立学校の事務職員になるには、都道府県や市の採用試験を受けるのが一般的です。社会人経験者の枠を設けている自治体もありますが、年齢や条件は自治体によって違います。私立学校の場合は、学校ごとに募集が出ます。

学校の事務なら、先生の経験も生かせそうですね。
市役所の会計年度任用職員
市役所などで、1年ごとの任用で働く「会計年度任用職員」という働き方もあります。1日の勤務時間が短い募集もあるので、子育て中の先生が気になる働き方の一つです。
ただ、会計年度任用職員の仕事は、事務だけではありません。知り合いの元先生も市役所で働いていますが、事務作業というより、支援が必要な家庭を訪ねる仕事が中心だそうです。勤務時間や仕事の内容は、募集要項で確かめてください。
簿記2級でも選ばなかった理由

私は、3人目の育休中に簿記2級を取りました。取ったきっかけや勉強のしかたは、簿記2級は意味ない?【育休中に合格】仕事より家計に効いた元教員の本音にまとめています。
簿記を持っているなら、経理や事務は向いているはず。そう思われるかもしれません。実際、辞めるときに見た求人の中には、事務や経理の仕事もありました。それでも、私は応募しませんでした。理由は、次の3つです。

フルタイムの求人ばかり
1つ目は、時間です。私が見た事務や経理の求人は、ほとんどがフルタイムでした。
子どもが3人いる私にとって、毎日フルタイムで働くことは、教員を辞めたい理由の一つでもありました。時間の悩みが同じままなら、仕事を変える意味が薄くなってしまいます。
同じ時間なら教員が上
2つ目は、給料です。フルタイムで働くなら、同じ時間で比べると、教員のほうが給料が多いと感じました。
働く時間はほとんど変わらないのに、給料は下がる。それなら、辞める理由が見えなくなります。求人を見て気づいたことは、30代女性教員の転職先【元教員ママ】辞めたい理由から選ぶ仕事にもくわしく書いています。

時間も給料も変わらないなら、教員を続けたほうがいいかも…と思ってしまいました。
1日中の事務は好きじゃない
3つ目は、やりたいことです。正直に言うと、私は事務の仕事をやりたいとは思いませんでした。
時間・給料・やりたいこと。この3つのどれにも当てはまらなかったので、事務職は選ばなかったのです。次の章では、3つ目の「やりたいこと」について、もう少しくわしくお話しします。
先生の事務と事務職の違い

先生の仕事にも、事務はたくさんあります。出席簿や成績の処理、集金の管理、学校で使う書類づくり。パソコンに向かう時間は、思っている以上に長いものです。
それなら、事務職も同じようにできるのでは、と考える人もいるかもしれません。でも、私は「先生の事務」と「事務職」は、まったく別の仕事だと感じています。
子どもとの時間の合間の事務
先生の1日の中心は、子どもたちと過ごす時間です。事務は、その合間にちょこっとする仕事でした。
子どもたちとの時間があったから、事務もやれていたのだと思います。授業や休み時間のにぎやかさがあるからこそ、放課後の事務にも向き合えていました。
PC作業は得意だった
パソコンの作業は、もともと得意なほうでした。表をつくったり、書類を整えたりするのは苦になりません。
ただ、得意なことと、好きなことは別です。得意だからといって、それだけを1日中続けたいとは思えませんでした。

「できる」と「やりたい」は、分けて考えたほうがいいですよ。
事務が1日の中心になる
事務職になると、事務が1日の中心になります。子どもたちとの時間はなくなり、朝から夕方まで、パソコンや書類と向き合う毎日です。
私の場合は、ずっと事務だけをしているのは好きではありません。先生の仕事のうち、どの部分が好きでどの部分がつらいのか。それを分けて考えると、事務職が合うかどうかが見えてきます。
事務職に向いている人

私は事務職を選びませんでしたが、事務職が悪い仕事だとは思っていません。人によっては、教員より働きやすく、気持ちよく続けられる仕事です。
先生として身につけた文書づくりや段取りの力、パソコンの操作は、事務の仕事でもそのまま役立ちます。ここでは、事務職に向いていると思う人の特徴を3つ挙げます。
コツコツ作業が好きな人
決まった作業を、ていねいに積み重ねるのが好きな人には、事務職が合っています。
書類を整える、データをまちがいなく入力する。こうした作業に、達成感や落ち着きを感じられる人は、事務職で力を発揮しやすいはずです。
決まった時間に帰りたい人
先生の仕事は、終わりが見えにくい仕事です。持ち帰りの仕事や、急な対応に追われる日も少なくありません。
事務職は、職場によって差はあるものの、仕事の範囲が決まっていることが多い仕事です。毎日決まった時間に帰りたい人には、魅力の大きい働き方だと思います。
数字やお金の流れが好きな人
数字を扱うのが好きな人や、お金の流れを見るのがおもしろいと感じる人には、経理事務が向いています。
簿記の勉強が楽しかった人なら、経理の仕事は、その知識を毎日使える場所になります。資格の勉強が、そのまま仕事につながるのは大きな魅力です。
事務職に向かない人

反対に、事務職が合わないと思う人もいます。じつは、私が当てはまったのはこちらでした。
事務職に向かないからといって、ダメということではありません。自分に合う働き方が、別のところにあるというだけです。転職してから「思っていたのと違った」とならないように、チェックしてみてください。
人と関わる時間が好きな人
先生の仕事でいちばん好きだったのが、子どもたちと関わる時間だった人は、事務職では物足りなさを感じるかもしれません。
事務職は、パソコンや書類と向き合う時間が長い仕事です。人と関わることにやりがいを感じる人は、講師や教える仕事など、人と接する仕事も考えてみてください。講師の働き方は教員を辞めた後の講師という働き方【元教員ママ】週2日で分かった本音にまとめています。
収入を下げたくない人
事務職の給料は、職場や地域、働き方によって大きく違います。私が見た求人では、同じ時間で比べると、教員より給料が下がるものがほとんどでした。
家計のために収入を下げられない人は、求人の給料を、今の手取りとしっかり比べてから考えましょう。
短い時間で働きたい人
事務職の求人は、フルタイムが中心です。短い時間の募集もありますが、数は多くありません。
子育てとの両立のために、働く時間を短くしたい人は、事務職にこだわらず探すほうが見つけやすいかもしれません。私が譲れなかったのは、休みやすさと朝の出社時刻でした。

向かない人に当てはまっても、ほかの道があるんですね。
簿記2級が役立つ場面

事務職を選ばなかったからといって、簿記2級がむだになったわけではありません。むしろ、今の働き方の中で、毎日のように役立っています。
簿記は、転職のためだけの資格ではありません。お金の流れを理解するための、土台のような知識です。ほかに取ってよかった資格は、教員が取ってよかった資格【元教員】簿記2級と教員免許だけで十分にまとめています。
お仕事の相手の話が分かる
フリーランスとしてお仕事の話をするとき、簿記の知識が役立っていると感じます。
経費のことや、お金の流れが分かっていると、相手の話がぐっと理解しやすくなるのです。話についていけるので、やりとりもスムーズになります。

お金の言葉が分かるだけで、仕事の話がしやすくなりました。
確定申告と会計ソフト
フリーランスになると、自分で確定申告をする必要があります。簿記のしくみが分かっているので、会計ソフトへの入力もすごく楽です。
確定申告のやり方はフリーランスはじめての確定申告【元教員】青色申告を2日で終えた方法に、会計ソフトの選び方は個人事業主の会計ソフトの選び方【元教員が記帳をラクにした使い方】にまとめています。
家計を見る目が変わる
簿記の知識は、家計を見るときにも役立ちます。お金がどこから入って、どこへ出ていくのか。その流れが、前よりはっきり見えるようになりました。
教員を辞めると、収入の形が変わります。お金の流れが分かることは、辞めたあとの暮らしを支える力にもなります。
事務に転職する前の準備

事務職が向いていそうだと感じた人も、すぐに応募する前に、準備しておきたいことがあります。
転職してから後悔しないためには、「なぜ辞めたいのか」と「次の仕事で何を変えたいのか」を、はっきりさせておくことが大切です。ここでは、事務に転職する前にやっておきたい3つのことを紹介します。
辞めたい理由を分ける
まずは、教員を辞めたい理由を書き出してみましょう。
- 仕事の内容がつらい
- 職場の環境がつらい
- 働く時間が長い
- 給料に不満がある
- 休みが取りにくい
理由を分けてみると、事務職で解決できる悩みかどうかが見えてきます。私の場合は、時間の悩みを解決できないと分かったので、事務職は選びませんでした。
求人の条件を細かく見る
求人を見るときは、仕事の名前より、条件を細かく確かめましょう。
- 1日の勤務時間と始業の時刻
- 残業がどのくらいあるか
- 給料と賞与の有無
- 休みの取りやすさ
同じ「事務」でも、職場によって働き方は大きく違います。今の働き方と並べて比べてみると、転職してよくなる点と悪くなる点が分かります。
転職エージェントに相談する
一人で求人を探すのが不安なら、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。私はエージェントを使わずに辞めましたが、向いている人については教員に転職エージェントは必要?【使わず辞めた私】が向く人を正直に解説で正直にお話ししています。
東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県で働きたい女性の先生なら、女性の転職を専門にサポートしている「type女性の転職エージェント」というサービスがあり、事務職の求人の探し方や、子育て中の働き方についても相談できます。
教員から事務職へのQ&A

最後に、教員から事務職への転職について、よく聞かれる疑問にお答えします。
ここで紹介するのは、私の考えと一般的な内容です。求人の条件や採用試験の決まりは、地域や会社、年度によって違います。くわしくは、それぞれの募集要項で確かめてくださいね。
未経験でも事務職に就ける?
就ける可能性はあります。「未経験歓迎」と書かれた事務の求人も珍しくありません。教員の経験で身についた文書づくりや段取りの力は、自己PRで伝えることができます。自己PRの作り方は、教員のスキルは転職で活かせる|元教員の自己PRの作り方を参考にしてください。
簿記は何級から役立つ?
お金のしくみを知るなら、3級でも十分に役立ちます。経理の仕事を目指すなら、2級まで取っておくと強みになりやすいです。私は3級を1回、2級は2回目で合格しました。
学校事務は教員から目指せる?
目指せます。公立学校の事務職員は、都道府県や市の採用試験で選ばれるのが一般的です。社会人経験者の枠がある自治体もありますが、年齢や条件はさまざまなので、募集要項を確かめてください。
事務職の給料はどのくらい?
職場や地域、雇用の形によって大きく違います。私が見た求人では、同じ時間で比べると教員より下がるものがほとんどでした。職業ごとの平均の給料は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)でも調べられます。
30代からでも間に合う?
間に合います。事務職の求人には、年齢よりも経験やスキルを見るものもあります。ただ、30代で子育て中なら、働く時間や休みやすさも大事な条件です。30代女性教員の転職先【元教員ママ】辞めたい理由から選ぶ仕事もあわせて読んでみてください。
パートの事務で扶養内は?
短い時間のパートの事務で、家族の扶養に入ったまま働く人もいます。扶養に入れる収入の目安は、年収130万円未満です。くわしくは教員を辞めた後の健康保険と年金【元教員】3択から扶養を選んだ理由にまとめています。
※参考:栃木県「学校事務職員の紹介」/厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)。求人の条件や採用試験の内容は変わることがあるため、最新の情報は募集要項で確認してください。
まとめ|選ばない選択もあり

私は簿記2級を持っていても、事務職を選びませんでした。時間・給料・やりたいこと、その3つのどれにも当てはまらなかったからです。
- 事務職は種類によって仕事が違う
- 選ばなかった理由は時間・給料・やりたいこと
- 先生の事務と事務職は別の仕事
- 向いている人には良い選択
- 簿記は転職しなくても役立つ
- 転職の前に辞めたい理由を分ける
事務職が合うかどうかは、人によって違います。大切なのは、職種の名前で選ぶのではなく、自分が変えたいことを解決できる仕事を選ぶことです。

選ばないと決めるのも、立派な選択ですよ。
事務職が自分に合いそうだと感じたら、まずは求人の条件を見ることから始めてみてください。
ほかの転職先も知りたい人は教員からの転職先、どんな仕事がある?おすすめ職種10選を、簿記について知りたい人は簿記2級は意味ない?【育休中に合格】仕事より家計に効いた元教員の本音をあわせて読んでみてください。


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