「辞めたあとの手続きって、何をいつまでにすればいいんだろう」
退職が近づくと、こんな不安が出てきませんか。健康保険や年金の切りかえ、住民税、確定申告。先生をしていたころは、どれも学校の事務の先生に任せていたことばかりです。
- 保険と年金の切りかえ方
- あとから来る住民税の請求
- 失業手当があるのかどうか
- 確定申告が必要かどうか

辞めたあと、手続きで困らないか心配です…。

私は、ほとんど困りませんでしたよ。
私は2025年3月に教員を辞めました。手続きで困らなかったのは、何が来るかを先に知っていたからです。
この記事では、辞めた翌日から1年でやる手続きを、順番に一覧にしました。会社員向けの情報とはちがう、先生ならではの点もまとめています。
退職後の手続きの全体像

まずは、辞めたあとの1年で何があるのか、全体の流れを見ておきましょう。
手続きの数は多く見えますが、時期ごとに分けると、一度にやることはそれほど多くありません。先に流れを知っておけば、「次はこれが来る」と落ち着いて動けます。
ここでは、3月末に辞めた私の場合を例に、1年の流れと、先生ならではの注意点をお伝えします。
辞めた翌日から1年の流れ
3月末に辞めた場合、おおまかな流れは次のとおりです。

- 4月:健康保険と年金の切りかえ
- 4月〜:開業届と口座(事業をする人)
- 4〜6月ごろ:退職金・互助会の入金
- 6月ごろ:住民税の納付書が届く
- 翌年2〜3月:確定申告
退職金が入る時期や、互助会のしくみは自治体によって違います。目安として見てください。
会社員の手続きとちがう点
ネットで「退職後の手続き」と調べると、会社員向けの情報がたくさん出てきます。でも、公立学校の先生とは少しちがう点があります。
- 健康保険は共済組合から切りかえる
- 雇用保険がなく失業手当は出ない
- 3月末に辞める人が多い
特に、ハローワークで失業手当の手続きをする、という流れは先生には当てはまりません。くわしくは、このあとの章でお話しします。
私が困らなかった理由
正直に言うと、私は辞めたあとの手続きで、とくに困ったことはありませんでした。

えっ、本当に困らなかったんですか?

何が来るかを、先に知っていたからだと思います。
住民税の納付書が届いても、「来ると思っていたもの」が来ただけなので、慌てずにすみました。辞める前の手続きは、教員の退職手続きの流れ【元教員の体験】辞める前にやること一覧にまとめています。
健康保険の切りかえ

先生を辞めると、それまで入っていた共済組合の健康保険から抜けることになります。
そのため、次にどの健康保険に入るかを決めて、手続きをする必要があります。選択肢は大きく3つです。私が選んだ方法と、気をつけたい期限をお伝えします。
扶養・任意継続・国保の3択
退職したあとの健康保険は、次の3つから選びます。
- 家族の扶養に入る
- 共済組合の任意継続
- 国民健康保険(国保)
どれがいいかは、家族の働き方や、辞めたあとの収入によって変わります。3つの違いや選び方は、教員を辞めた後の健康保険・年金はどうする?【元教員のリアル】にくわしく書きました。
扶養はパートナーに任せた
私は、パートナーの扶養に入りました。扶養の手続きは、パートナーの勤め先を通して行うものなので、パートナーにお願いしています。
新しい保険の書類が届くまでの間も、病院に行く予定がなかったので、特に困ることはありませんでした。持病がある人や、通院中の人は、切りかえの時期を早めに確かめておくと安心です。
任意継続は20日以内
任意継続とは、退職したあとも、最長2年間、共済組合の健康保険を続けられるしくみです。
ただし、申し込みは退職してから20日以内と決まっています。「あとで考えよう」としているうちに、選べなくなってしまうこともあるので注意してください。
※任意継続の条件や期限は、加入している共済組合の案内で確認してください。
年金の手続き

健康保険と一緒に切りかわるのが、年金です。
先生として働いていた間は、共済組合を通して年金に入っていました。辞めたあとは、扶養に入るかどうかで、手続きの方法が変わります。どちらの場合も、加入を途切れさせないことが大切です。
扶養なら第3号被保険者
会社員や公務員の扶養に入る場合、年金は「第3号被保険者」になります。自分で国民年金の保険料を払う必要はありません。
手続きは、扶養に入るときに、パートナーの勤め先を通して行われるのが一般的です。私も、自分で窓口に行った記憶はありません。
扶養でなければ国民年金へ
扶養に入らない場合は、国民年金の「第1号被保険者」になります。
手続きは、住んでいる市区町村の窓口で行います。期限は、退職した日の翌日から14日以内です。保険料は自分で納めることになるので、生活費の中に入れておきましょう。

14日って、意外と短いんですね。

辞めてすぐは忙しいので、手帳に書いておくのがおすすめです。
加入を切らさない
年金は、加入していた期間が合わせて10年以上あると、老後に受け取れるしくみです。
先生として働いた期間も、辞めたあとの期間も、合わせて数えられます。扶養でも国民年金でも、加入を切らさないようにしてください。くわしくは教員を辞めた後の健康保険・年金はどうする?【元教員のリアル】をご覧ください。
住民税の払い方

辞めたあとに「こんなに来るの?」と驚く人が多いのが、住民税です。
住民税は、前の年の収入をもとにかかる税金です。そのため、辞めて収入が減っても、先生として働いていたころの収入で計算された住民税を払うことになります。払い方のしくみを知っておくだけで、ぐっと落ち着いて受け止められます。
5月分までは一括で引かれる
1月から4月の間に辞めた場合、その年の5月分までの住民税は、最後のお給料や退職金から、まとめて引かれるのが原則です。
3月末に辞めた私も、この形でした。お給料や退職金で足りない場合は、自分で払う形に切りかわることもあります。
6月に届いた納付書
6月からの分は、自分で納めることになります。6月ごろ、住んでいる市区町村から納付書が届きました。
もともと届くと予想していたので、金額を見ても想定内でした。前の年の収入で計算されるので、辞める前から取り分けておくと安心です。
分けずにまとめて払った
納付書は、ふつう年4回に分けて払う形になっています。まとめて1回で払うこともできます。

分けて払うと、どこまで払ったか分からなくなりそうで、まとめて払いました。
自分に合う払い方を選べば大丈夫です。辞めたあとの生活費の考え方は、教員を辞めた後の生活費はいくら必要?我が家がやった計算の手順にまとめています。
失業手当と退職金

会社員なら、辞めたあとにハローワークで失業手当の手続きをするのが一般的です。
でも、公立学校の先生は、そもそも雇用保険に入っていません。そのため、辞めたあとのお金の流れが、会社員とは少しちがいます。ここでは、失業手当と退職金、互助会のお金についてお伝えします。
先生には失業手当がない
公務員は、雇用保険の対象外です。そのため、先生を辞めても、失業手当(基本手当)は出ません。
私は、このことを辞める前から知っていました。公務員と会社員の働き方の違いなので、とくに何も思いませんでした。知らずに辞めると、あてにしていたお金がなくて慌てることになるので、先に確かめておきましょう。
失業者の退職手当という制度
ただし、自治体の決まりの中に「失業者の退職手当」という制度があります。
退職金が、雇用保険の失業手当にあたる額より少なく、辞めたあと仕事が見つからない場合などに、その差額が出るしくみです。条件や手続きは自治体によって違います。
※失業者の退職手当の条件は、勤め先の事務の先生や教育委員会に確認してください。
退職金と互助会の入金
私の退職金は約180万円で、4月ごろに振り込まれました。くわしくは教員の退職金はいくら?【勤務7年+育休で約180万円】元教員の実例に書いています。
互助会からも、5〜6月ごろに約20万円が入りました。お知らせが届くこともあるので、お給料の口座は、辞めたあとも半年くらい残しておくと安心です。

あとから入るお金もあるんですね。
書類と確定申告

辞めるときにもらう書類の中には、あとで必要になるものがあります。
特に、退職した年は、学校で年末調整をしてもらえません。翌年の確定申告で使う書類もあるので、捨てずにとっておきましょう。ここでは、とっておく書類と、確定申告の注意点をお伝えします。
源泉徴収票はとっておく
辞めるときには、お給料の「源泉徴収票」と、退職金の「退職所得の源泉徴収票」を受け取ります。
どちらも確定申告で使うので、とっておいて本当によかったです。クリアファイルを1つ決めて、退職まわりの書類をまとめて入れておくと探さずにすみます。
退職した年の確定申告
年の途中で辞めて、その年に別の勤め先で年末調整を受けない場合は、翌年に自分で確定申告をすることになります。
私は辞めた年からフリーランスとして働いていたので、先生のお給料も一緒に申告しました。進め方はフリーランスはじめての確定申告【元教員】青色申告を2日で終えた方法にまとめています。
退職金は基本申告不要
退職金は、辞めるときに「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、税金がその場で計算されて引かれます。この場合、退職金のための確定申告は、基本的に必要ありません(国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき)。

私も、事務の先生が用意してくれた書類に署名しただけでした。
事業を始めるなら

辞めたあとに、自分で仕事を始める予定がある人は、追加でやっておきたい準備があります。
私は辞めてすぐ、フリーランスとして働く準備をしました。ここでは、私が実際にやった3つのことをお伝えします。事業をする予定がない人は、この章は読み飛ばして大丈夫です。
開業届を出した
まず、税務署に開業届を出しました。あわせて、青色申告の申請もしています。
開業届や青色申告の流れは、フリーランスはじめての確定申告【元教員】青色申告を2日で終えた方法にくわしく書いています。
事業用の口座をつくった
次に、事業用の口座をつくりました。家のお金と仕事のお金を分けておくと、確定申告のときにとても楽になります。
記帳は会計ソフトで行っています。使い方は個人事業主の会計ソフトの選び方【元教員が記帳をラクにした使い方】をご覧ください。
クレカなしデビットだけ
事業用のクレジットカードは、つくりませんでした。大きなお金を動かす仕事ではないので、口座から直接引き落とされるデビットカードだけで十分だったからです。
事業をする予定がなければ、開業届も事業用の口座もいりません。でも、少しでも事業をする気があるなら、辞めてすぐに準備しておくのがおすすめです。

先に分けておくと、あとで仕分ける手間が減りますよ。
退職後の手続きのQ&A

最後に、退職後の手続きについて、よく聞かれる疑問にお答えします。
ここで紹介するのは、私の体験と一般的な内容です。制度の決まりは、自治体や共済組合によって違うことがあります。くわしくは、勤め先や市区町村、共済組合の案内で確かめてくださいね。
まず何から始めればいい?
まずは健康保険と年金です。任意継続は20日以内、国民年金は14日以内と期限が短いので、辞める前にどれにするか決めておくと安心です。
扶養に入れる条件は?
一般的には、年間の収入の見込みが130万円未満で、扶養する人の収入の半分未満であることなどが条件です。くわしい条件は、扶養する人の勤め先の健康保険で確かめてください。
国民年金の手続きはいつまで?
退職した日の翌日から14日以内に、住んでいる市区町村の窓口で手続きします。扶養に入る場合は、扶養する人の勤め先を通して手続きするのが一般的です。
住民税はいつまで払う?
3月末に辞めた場合、その年の6月から翌年5月までの住民税は、1年まるごと先生として働いた前の年の収入で計算されます。そのため、金額が大きくなりがちです。その次の年からは、辞めた年の収入で計算されるので、軽くなることが多いです。
先生は失業手当をもらえない?
公務員は雇用保険の対象外なので、失業手当は出ません。ただし、条件によっては「失業者の退職手当」が出る場合があります。勤め先に確認してみてください。
開業届は出さないとだめ?
事業をする予定がなければ、出す必要はありません。フリーランスなど、自分で仕事を始めるなら、開業届を出しておくと青色申告も使えます。
※健康保険・年金・住民税・退職手当の決まりは、自治体や共済組合によって異なる場合があります。必ず勤め先や市区町村の案内で確認してください。
まとめ|知っていれば困らない

退職後の手続きは、数が多く見えても、時期ごとにやることは限られています。何がいつ来るかを先に知っておけば、困ることはほとんどありません。

- 健康保険の切りかえ
- 年金の手続き
- 住民税の払い方の確認
- 失業手当がないことの確認
- 源泉徴収票の保管
- 翌年の確定申告
- 開業届と口座(事業をする人)
辞める前にこのチェックリストを見て、自分に必要なものに印をつけておいてください。それだけで、辞めたあとの不安はぐっと小さくなります。

一つずつ片づければ大丈夫ですよ。
健康保険と年金のくわしい選び方は教員を辞めた後の健康保険・年金はどうする?【元教員のリアル】に、確定申告はフリーランスはじめての確定申告【元教員】青色申告を2日で終えた方法に、退職金は教員の退職金はいくら?【勤務7年+育休で約180万円】元教員の実例にまとめています。辞めるか迷っている人は、教員を辞めたいと迷った2か月【元教員】辞める前に確かめた8つもあわせて読んでみてください。

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