「教員は副業ができない」
そう思っている人は多いと思います。私もそう思っていました。
でも、正確にはちがいます。
できないのではなく、許可が必要なんです。
この記事では、その制度の話と、私自身が「勤める以外の道もある」と知っていたことに、どれだけ支えられたかを書きます。
教員の副業は「禁止」ではなく「許可制」です
公立学校の教員は、地方公務員にあたります。
総務省の資料によると、地方公務員法第38条で、次の3つは任命権者の許可を受けなければできないと定められています。
- 営利団体の役員などを兼ねること
- 自ら営利企業を営むこと
- 報酬を得て事業や事務に従事すること
ポイントは、「許可を受けなければ」という部分です。
つまり、全面的に禁止されているのではなく、許可制ということになります。
なぜ許可が必要なのか
同じ資料には、許可が必要とされている理由も書かれています。
- 公務能率の確保(本業がおろそかにならないか)
- 職務の公正の確保(利害関係が生まれないか)
- 職員の品位の保持(信用を損なわないか)
この3つが守られるかどうかが、判断の軸になります。
裏を返せば、この3つに引っかからない内容であれば、許可される可能性があるということです。
最近は、国が基準づくりを促しています
もうひとつ知っておいてよいのが、近年の動きです。
総務省は各自治体に対して、兼業許可の基準を設定し、公表するよう促しています。職員が申請をためらわずに済むようにするため、という趣旨です。
ただし、令和2年の調査時点で、基準を設定している自治体は約4割、公表しているのは約2割にとどまっていました。
つまり、自治体によって状況がかなり違います。
注意してほしいこと
ここは正確に書きます。
「副業が解禁された」わけではありません。
国家公務員の基準では、兼業先として想定されているのはNPOなどの非営利団体が中心で、営利企業での兼業は原則として認められないとされています。地方公務員の許可基準も、これを参考にしている自治体が多いのが実情です。
また、家族の事業を手伝うような形についても、報酬の有無や関わり方によって扱いが変わります。
※制度の運用は自治体・任命権者によって異なります。実際に検討する場合は、必ずご自身の勤務先や、お住まいの自治体の規則を確認してください。この記事は制度の一般的な説明であり、個別の判断はできません。
出典:総務省「地方公務員の働き方に関する分科会」第1回 資料3「地方公務員の兼業について」(令和6年9月30日)
私は「勤める以外の道がある」と知っていました
ここからは、私の話です。
教員をしていたころ、私は「勤める以外にも道はある」ということを知っていました。
自分で仕事を作って、自分で稼いでいる人がいる。会社や役所に属さなくても、生きていける形がある。
育休のあいだに学校の外に出て、いろいろな仕事の人に会うようになって、知りました。
知っていたから、折れずに済んだ
これが、今いちばん大きかったと思うことです。
知っていたから、折れずに済んだのだと思います。
仕事がきつかったとき、「ここしかない」と思っていたら、もっと追い詰められていたはずです。逃げ場がないと感じることは、それ自体が人を消耗させます。
でも「最悪、別の道もある」と知っていると、同じ状況でも息ができます。
実際に使わなくてもいいんです。知っているだけで、支えになる。
もし今、しんどい場所にいるなら。すぐに動けなくても、選択肢を知っておくことだけはしてほしいと思います。
辞めたあとも、働き方の配分は変わってきました
もうひとつ書いておきたいのが、辞めたあとの話です。
「教員を辞める=フリーランスになる」で終わりだと思われがちですが、実際はそうではありませんでした。
最初の1年は、フリーランス一本
辞めてすぐは、フリーランスの仕事だけをしていました。
このとき大事にしていたのは、子育てを主にできることでした。勤めではないぶん、自分の時間の使い方を自分で決められる。私が優先したかった価値観に、この形が合っていました。
1年やってみて、勤めを足しました
そして今は、フリーランスの仕事を続けながら、週に3日ほど勤めに出ています。
これは、生活が苦しくなったからではありません。自分で選んで、足しました。
理由は3つあります。
子どもの手が少し離れてきたから。
下の子が大きくなって、時間に余裕ができました。だから少し増やそうと思いました。
民間で働く経験がしてみたかったから。
私はずっと学校の中にいました。組織の外に出たあと、今度は学校以外の組織を経験してみたかったんです。
信頼している人からの紹介だったから。
どこでもよかったわけではありません。声をかけてくれた相手を信頼できたことが、決め手のひとつでした。
もちろん、収入が増えることも理由のひとつです。
「勤める・勤めない」は、二択ではありません
ここまで書いてきて、伝えたいのはこれです。
働き方は、「勤める」か「勤めない」かの二択ではありません。
私自身、この2年で配分が変わってきました。
- 教員として、フルタイムで勤めていた
- 辞めて、フリーランス一本になった
- 今は、フリーランス+週3日の勤め
そのときの生活に合わせて、割合を変えてきただけです。
子どもが小さいときは、フリーランスの割合を大きくする。手が離れてきたら、勤めを足す。それでいいのだと思います。
一度決めたら変えられない、というものではありません。
これから、私はどうしたいか
最後に、今の気持ちも書いておきます。
私は、フリーランスの収入を増やしたいと思っています。
勤めが嫌なわけではありません。今の形にも満足しています。
ただ、私が欲しい価値観のひとつに、「自分で稼げる」ということがあるからです。
誰かに雇われて得る収入も、確かなものです。でもそれとは別に、自分の力でお金を生み出せるという感覚を持っておきたい。それが、この先の安心につながると思っています。
だから、しばらくはこの配分を続けながら、少しずつフリーランス側を大きくしていくつもりです。
まとめ|選択肢を知っておくことが、いちばんの備えになる
この記事で書いたことをまとめます。
教員の副業は、禁止ではなく許可制です。
ただし運用は自治体によって差があり、営利企業での兼業は認められにくいのが実情です。検討するなら、まずご自身の勤務先の規則を確認してください。
そして、勤める以外の道もあります。
私はそれを知っていたから、しんどい時期を折れずに越えられました。
働き方の配分は、あとから何度でも変えられます。
辞めるか続けるか、勤めるか勤めないか。二択で考えなくていいんです。
今すぐ動けなくてもかまいません。
まずは、選べる道がいくつあるのかを知るところから。それだけで、明日の呼吸が少し楽になるかもしれません。

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