「教員を辞めたい。でも、怖い」
そう思って動けずにいる人は、たくさんいると思います。
この記事では、私がその怖さとどう向き合ったかを書きます。
先に、正直なことを書いておきます。
私は、辞めることがあまり怖くありませんでした。
これは、私が強かったからではありません。怖さを減らす作業を、先にやっていたからです。
何を減らして、何が残ったのか。順番に書いていきます。
私が怖かったのは、辞めることではなく「5年後の自分」でした
私にとっていちばん怖かったのは、このまま教員を続けることのほうでした。
理由は4つあります。
眠れなくなっていた
いちばんはっきりしていたのが、これです。
夜、ゆっくり眠れませんでした。布団に入っても頭が休まらない。朝になっても疲れが残っている。
今振り返ると、これは体からのサインだったと思います。気持ちの問題ではなく、体が先に「無理だ」と言っていました。
はじめて辞めたいと思ったときのことはこちらの記事に詳しく書いています。
▶教員を「辞めたい」と初めて思った瞬間
同僚が、まぶしく見えた
教員は価値のある仕事です。それは今も思っています。
ただ、私は苦しかった。
まわりには、憧れる同僚がいました。仕事をテキパキとこなして、授業の準備も早い。想定外のことが起きても、臨機応変に対応していく。
その人のクラスは明るくて、私にはまぶしく見えました。
隣の芝が青く見えていただけかもしれません。その人にはその人の苦労が、きっとあったはずです。
それでも、同じ仕事をしているのに、私は必死にやらないと同じところまで届かない。その差が、こたえました。
そのとき思ったんです。
「これが、向いていないということなのかもしれない」
⚠これは私の話であって、「苦しい人は向いていない」という意味ではありません。ただ、私にとっては大きな気づきでした。
家に帰っても、仕事に追われていた
持ち帰りの仕事があるので、家にいても頭は仕事のことでいっぱいでした。
その結果どうなったか。家族との関係が、うまくいかなくなっていました。
子どもの話を聞いているようで聞いていない。余裕がないから、些細なことでいらいらする。
仕事のために家庭が削られていく感覚がありました。
そして、5年後が怖かった
ここがいちばん大きい理由です。
このまま続けて、5年後に折れてしまったとき。そのとき私は、教員以外に何もできない自分になっているのではないか。
それが怖かったんです。
辞めるのが怖いのではなくて、辞められなくなるのが怖かった。
今すぐ動けば、まだ体力も気力も残っている。次を作る時間もある。でも5年後に限界がきたら、そのときはもう選べないかもしれない。
私にとっては、こちらのほうがずっと現実的な恐怖でした。
怖さを減らすためにやった3つのこと
では、辞めることへの不安がゼロだったかというと、そうではありません。
不安はありました。ただ、辞めると決める前に、ひとつずつ潰していきました。
具体的には3つです。
1. お金を計算した
まず、お金です。
「なんとかなる」ではなく、実際に数字を出しました。収入がこうなって、支出がこうなって、それでも家計が黒字になり、貯蓄もできる。そこまで確認しました。
足りなくなってから慌てるのがいちばん怖いので、ここは時間をかけました。
不安の多くは「わからない」から生まれます。計算してしまえば、わからないが減ります。
※家計の状況はご家庭によって大きく変わります。判断に迷う場合は、お住まいの自治体の窓口や専門家に相談してください。
家計の見直しについてはこちらの記事で詳しく書いています。
▶共働き夫婦の家計管理|お金の流れを「見える化」する全手順
2. 半年かけて、夫婦で話した
次に、家族です。
一度の相談で決めたわけではありません。半年ほどかけて、じっくり話し合いました。
私の状態、辞めたい理由、辞めたあとの計画、お金のこと。少しずつ、何度も話しました。
結果として、夫も辞めることに賛成してくれました。
一気に説得しようとすると、たいてい反対されます。時間をかけて、相手にも考える時間を渡す。これが結果的にいちばん早かったと思っています。
3. 「2年かかる」と最初に決めた
3つめは、時間の見積もりです。
私はフリーランスでやっていくと決めた時点で、「軌道に乗るまで2年はかかる」と考えていました。
これを最初に決めておいたおかげで、焦らずに済みました。
思ったより稼げなくても、「予定どおり」と思える。これは想像以上に効きます。
逆に「3か月で結果を出す」と考えていたら、たぶん4か月目に折れていたと思います。
詳しくはこちら▶Webライターを始めて最初の月の収入は500円でした
いちばん効いたのは「戻れる」と知っていたこと
3つの準備の中で、実はいちばん怖さを減らしてくれたのは別のことでした。
それは、戻る道が完全には閉じていないと知っていたことです。
教員免許は、辞めても消えません。
そして、教員は人手が足りていません。だから講師として登録すれば、仕事の話は来るだろうと考えていました。
実際、退職した次の年度に、講師をしないかという声をかけていただきました。
もうひとつ大事にしたのが、辞め方です。
最後まで手を抜かず、引き継ぎもきちんとして辞めました。後を濁すような辞め方はしていません。
だから、戻ろうと思えば戻れる。その感覚が、背中を押してくれました。
「もう二度と戻れない」と思うと、決断は重くなります。でも実際には、多くの場合で戻る道は残っています。
※講師の需要は地域や時期によって変わります。実際の状況は、お住まいの自治体の教育委員会にご確認ください。
詳しくはこちらの記事に書いています。
▶教員を辞めて後悔したこと
それでも怖いなら|辞める以外の選択肢もあります
ここまで読んで、「それでもまだ怖い」と思う人もいると思います。
その場合、いきなり辞める以外の道もあります。
病気休暇や休職という制度があります。まず休んで、体を戻してから考えるという順番でもいいんです。
特に、眠れない状態が続いている場合は、辞めるかどうかを考える前に、体を休めることを優先してほしいと思います。私の場合は眠れないことがサインでしたが、そのサインに気づいたとき、選べる道はひとつではありません。
※心身の不調が続いている場合は、早めに医療機関や職場の相談窓口に相談してください。
教員の病気休暇・休職についてはこちらの記事で詳しく書いています。
▶教員の病気休暇・休職という選択|辞める前に知ってほしい制度の話
決め手になったのは「どちらが後悔しないか」
最後に、私が決めるときに使った基準を書きます。
それは、「どちらを選んだほうが後悔しないか」です。
「どちらが正しいか」ではありません。「どちらが得か」でもありません。
5年後、10年後の自分が振り返ったときに、後悔が少ないのはどっちか。
私の場合、答えは「辞める」でした。続けていたら、きっと後悔していたと思います。
ただ、ここは強調しておきたいのですが、これはあくまで私の価値観です。
続けたほうが後悔しない人も、絶対にいます。
教員を続けることで得られるものは確かにあります。子どもの成長に関われること、安定した身分、積み上げてきたキャリア。それを手放すほうが後悔する人は、たくさんいるはずです。
だから、私の答えをそのまま使わないでください。あなたの基準で、あなたの答えを出してほしいと思います。
まとめ|怖さは消えなくても、減らせます
最後に、この記事で伝えたかったことをまとめます。
怖さは、気持ちの持ちようでは消えません。でも、作業で減らせます。
私が減らしたのは4つでした。
- お金の計算する
- 家族と時間をかけて話す
- 稼ぐのにかかる時間を見積もる
そして、戻る道が残っていると知っていること。これがいちばん効きました。
そのうえで、私は「辞めるほうが後悔しない」と判断しました。
もしあなたが今、怖くて動けないなら。まずは怖さの中身を書き出してみるところからでいいと思います。
「お金が足りなくなるかもしれない」「家族に反対されるかもしれない」「もう戻れないかもしれない」
書き出してみると、ほとんどが「わからない」でできていることに気づくはずです。そして「わからない」は、調べれば減っていきます。
怖いまま決めてもいいんです。私も、不安がゼロになったわけではありませんでした。
大事なのは、怖さの正体を知ったうえで決めることだと思います。
辞める前に次の記事にかいてあることを確認してみてください。
▶教員を辞めたい人へ|辞める前に確認したい8つのこと

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