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教員の病気休暇・休職とは?取り方と条件をわかりやすく解説

教員の病気休暇・休職という選択|やわらかな光が差し込む窓辺の机とハーブティー 退職を決めるまで

「今日も一日、ちゃんと授業ができるだろうか」。教員を辞める前の私は、そんな不安で朝2時から1時間おきに目が覚めていました。

あなたも今、「もう限界。辞めるしかない」と思い詰めていませんか?

こんな状態ではありませんか?
  • 夜中や明け方に何度も目が覚める毎日
  • 朝、起き上がるのがつらい体
  • 学校が近づくほど重くなる気持ち
  • 「辞めるしかない」と思い詰める心
悩める先生
悩める先生

もう、辞めるしかないのかな…。

あき
あき

その前に、「休む」という道もあるんです。

結論から言うと、辞める前に「休む」という選択肢があります。教員には、給与を受け取りながら療養できる病気休暇と、身分を保ったまま休める病気休職という制度があるからです。

この記事では、病気休暇の取り方と手続き、休んでいる間の給料を、文部科学省の手引きをもとにわかりやすくまとめます。病休を取らずに辞めた元教員として、当時の本音もお伝えしますね。

病気休暇と病気休職の違い

90日の病気休暇と最長3年の病気休職|2つの制度の違い

まずは、2つの制度の違いを押さえておきましょう。

心や体の不調で働けなくなったとき、公立学校の教員が使える制度は大きく2つあります。短い期間の療養に使う「病気休暇」と、長い療養が必要なときの「病気休職」です。

名前は似ていますが、休める期間も、受け取れるお金も違います。この章では、文部科学省の手引きをもとに、それぞれの特徴と、休暇から休職へ進む流れを整理します。

病気休暇は最大90日の療養期間

病気休暇は、病気やけがの療養のために取れる休暇です。

期間は最大90日間で、そのあいだの給与は全額支給されるのが一般的です。自治体によっては、180日間としているところもあります。

心の不調で取るときは、心療内科や精神科を受診して、主治医の診断書を職場に出す必要があります。診断書の期間内に回復しなければ、もう一度診断書を出すことで延長も可能です。

病気休職は身分を保てる最長3年

病気休暇を使い切っても回復しないときは、病気休職に進みます。

病気休職は、公務員としての身分を保ったまま、仕事から離れて療養できる制度です。期間は最長3年間で、始めるときと更新するときには、主治医の診断書が必要になります。

悩める先生
悩める先生

身分を保ったまま、3年も休めるんですね。

あき
あき

そうなんです。私も、辞めたあとに詳しく知って驚きました。

休暇から休職へ進む流れ

2つの制度は、別々のものではなく、ひと続きの流れになっています。

病気休暇から休職までの流れの図。病気休暇は最大90日で給与は満額、休職1年目は給与の約8割、休職2〜3年目は給与は無給で傷病手当金として給与の約3分の2。合わせて最大3年3か月ほど療養できる。期間や割合は自治体によって異なる

病気休暇と休職を合わせると、最大で3年3か月ほど療養に専念できる計算です。ただし、期間や給与の割合は自治体によって異なります。

病気休暇の取り方と手続き

休みたいと思ったらまずは受診から|病気休暇の取り方と手続き

「休みたい。でも、何から始めればいいのか分からない」という方も多いと思います。

病気休暇の取り方は、大きく分けると「受診する」「診断書を出す」「必要なら延長する」の3段階です。手続きそのものは、思っているより複雑ではありません。

ここでは一般的な流れと、いちばん最初に誰に相談すればいいのかを、順番にお伝えします。細かいルールは自治体ごとに違うので、最後は必ず勤務先で確認してくださいね。

まずは心療内科や精神科の受診

最初の一歩は、医療機関を受診することです。

眠れない、朝起きられない、涙が止まらない。そんな状態が続いているなら、それは「気の持ちよう」ではありません。心療内科や精神科で、今の状態を正直に話してみてください。

受診して、休む必要があると判断されれば、主治医が診断書を書いてくれます。この診断書が、病気休暇を取るための大切な書類になります。

診断書を管理職へ提出する流れ

診断書を受け取ったら、管理職に相談して提出します。

病気休暇を取るまでの4ステップの図。1心療内科や精神科を受診、2主治医に診断書をもらう、3管理職に相談して診断書を提出、4学校を通じて教育委員会へ申請。まずは事務の先生など話しやすい人に相談を

申請の書類は、学校の事務の先生が用意してくれることがほとんどです。体調が悪いときは、書類をすべて自分で整えようとしなくて大丈夫です。

延長するときの診断書の再提出

診断書に書かれた期間が終わっても回復していないときは、延長ができます。

その場合は、もう一度受診して、新しい診断書を提出する流れです。延長を重ねて病気休暇の上限に近づいたら、病気休職へ進むかどうかを、主治医や職場と相談することになります。

最初に相談しやすい人の見つけ方

管理職にいきなり話すのは、ハードルが高いですよね。

私の場合、制度のことを聞いたのは事務の先生でした。話しやすい方で、本当によかったと今でも思っています。事務の先生は給与や休暇の手続きにくわしいので、最初の相談相手にぴったりです。

あき
あき

学校の中で話しにくいときは、公立学校共済組合の相談窓口を使う方法もありますよ。

話しやすい人に、まずひとこと伝えてみる。それだけでも、一人で抱え込む苦しさはずいぶん軽くなります。

休んでいる間の給料とお金

休んでも収入はゼロじゃない|病気休暇・休職中の給料の目安

休むことを考えたとき、いちばん不安になるのがお金のことではないでしょうか。

「休んだら収入がゼロになる」と思い込んで、無理を続けてしまう先生は少なくありません。でも実際には、休んでいる間も、段階に応じて給与や手当を受け取れる仕組みがあります。

ここでは、病気休暇、病気休職、その後の傷病手当金という順番で、受け取れるお金の目安をまとめます。金額や割合は自治体によって違うので、あくまで一般的な目安として読んでください。

病気休暇中は給与が満額

病気休暇のあいだは、給与が満額支給されるのが一般的です。

つまり、最大90日間は、ふだんと同じ給与を受け取りながら療養に専念できます。「辞めたら収入はゼロ」と比べると、まったく違う状況ですよね。

休職1年目は給与の約8割

病気休職に入ると、1年目は給与の約8割が支給されるのが一般的です。

満額ではなくなりますが、公務員の身分を保ったまま、収入もある程度確保できるのは大きな支えです。2年目からは給与が無給になるので、次の傷病手当金に切り替わります。

無給のあとは傷病手当金で約3分の2

給与が無給になったあとは、公立学校共済組合から傷病手当金を受け取れます。

傷病手当金のポイント
  • 金額の目安:給与の約3分の2
  • 期間:傷病手当金1年6か月+附加金6か月
  • 請求:共済組合への申請が必要

合わせると、最大で2年ほど受け取れる計算です。申請には、主治医の証明などが必要になります。

※期間・給与の割合・手続きは、自治体や年度によって異なります。必ず勤務先の教育委員会や、お住まいの地域の公立学校共済組合で最新の情報を確認してください。
出典:文部科学省「とまり木 心の不調による病気休暇・病気休職中の手引き」/公立学校共済組合「傷病手当金/傷病手当金附加金」

病休を選ばなかった私の本音

病休を取るくらいなら辞めようと思っていた|元教員の本音

ここからは、私自身の話をさせてください。

正直に書くと、私は病気休暇を取らずに教員を辞めました。制度があることは知っていました。それでも使わなかったのには、当時の私なりの理由があります。

今振り返ると、その考え方には危うさもあったと感じています。同じように追い詰められている先生に、当時の私の本音と、職場で見えていた景色をそのまま書いていきますね。休むかどうか迷っている方の、判断の材料になればうれしいです。

朝2時から目が覚めていた毎日

いちばんつらかったのは、朝起きるときでした。

「今日も一日、ちゃんと授業ができるだろうか」「子どもたちと、ちゃんと過ごせるだろうか」。そんな不安で、朝2時から1時間おきに目が覚めていたんです。

悩める先生
悩める先生

それ、今の私とまったく同じです…。

眠れないまま朝を迎えて、それでも学校に行く。当時は、それが当たり前だと思っていました。

自分が病気だとは思わなかった理由

病休という制度があることは、知っていました。

でも、自分が病気だとは、まったく思っていなかったんです。眠れないのも、朝がつらいのも、自分の頑張りが足りないせいだと考えていました。

病気かどうかは、自分では判断できません。だからこそ、眠れない日が続いたら、一度受診してほしいと今は思います。

病休を取るなら辞めると決めた気持ち

当時の私は、「病休を取るくらいなら、辞めよう」と思っていました。

休んで周りに迷惑をかけるくらいなら、きっぱり辞めたほうがいい。そんなふうに、選択肢を2つしか持っていなかったんです。

あき
あき

今思えば、「休んでから考える」という道もあったんですよね。

外から見えない病気と周りの目

職場で見てきた景色についても、少しだけ書かせてください。

心の病気は、外からは見えません。復職して負担の軽い仕事を任されている先生が、周りから「いいな」と思われている場面もありました。

でも、家でつらかったり、朝起きられなかったり、回復の途中だったり。その人にしか分からないことは、きっとたくさんあったはずです。同じ時間に職場にいる姿だけを見て、楽そうに見えてしまうのかもしれません。

悩める先生
悩める先生

でも、つらそうにしていたら、それはそれで心配されますよね。

そうなんです。とても具合が悪そうなら「それで復職するのは無理があるのでは」と心配になります。どちらの立場も分かるからこそ、周りの目は気にしすぎなくていいと、私は思っています。

制度を使うのは働く人の権利

病気休暇も病気休職も、働く人を守るために用意された制度です。

使うことは、甘えでもわがままでもありません。体を壊してから考えるのではなく、壊れる前に使っていいものだと、私は思います。

療養から復職までの流れ

焦らなくていい、回復には順番がある|療養から復職までの流れ

休み始めると、「いつ戻れるんだろう」と焦る気持ちが出てくるかもしれません。

文部科学省の手引きでは、療養から復職までを「療養専念期」「リハビリ期」「復職準備期」「復職後の経過観察期」の4つの時期に分けて説明しています。回復には段階があり、順番に進んでいけばいいということです。

ここでは、それぞれの時期で大切にしたいことを、手引きの内容をもとにまとめます。どの時期も、進め方は主治医と相談しながら決めてくださいね。

療養に専念する時期

休み始めてすぐは、とにかく休むことがいちばんの仕事です。

学校のことや、復職の時期のことは、いったん考えなくて大丈夫です。しっかり眠って、しっかり休む。それが、回復への近道になります。

少しずつ動くリハビリの時期

調子のいい日が増えてきたら、少しずつ体と頭を動かしていきます。

手引きでは、本を読む、散歩をする、図書館に行くといった方法が紹介されています。調子には波があるので、焦らず、主治医と相談しながら進めることが大切です。

試し出勤と復職の手続き

復職が近づくと、多くの自治体では、復職前に試しに出勤する仕組みが用意されています。

復職の前に行われること(一般的な例)
  • 試し出勤(復職支援プログラムなど)
  • 復職審査会などでの確認
  • 主治医の診断書の提出

いきなり元の働き方に戻るのではなく、段階を踏んで職場に慣れていけるようになっています。

辞める前に知ってほしい選択肢

辞める前にまず休むという道|教員以外の選択肢

ここまで、休むための制度についてお話ししてきました。

それでも、「休んだあとに、また同じ職場に戻れる気がしない」と感じる方もいると思います。その気持ちも、とても自然なものです。

休むことは、辞めないと決めることではありません。しっかり休んで、元気を取り戻してから、これからの働き方を考えればいいんです。最後に、辞めることも含めた選択肢について、私の考えをお伝えします。

休むことと辞めることの違い

休むことと辞めることは、どちらが正しいというものではありません。

ただ、追い詰められているときに大きな決断をすると、あとで後悔しやすくなります。まず休んで、判断できる状態に戻ってから決める。この順番を大切にしてほしいと思います。

教員以外の道を知っておく意味

教員以外の選択肢を知っておくことは、とても大事だと感じています。

「辞めたら、ほかに何もできない」と思い込んでいると、休むことも辞めることも怖くなります。どんな道があるのかを知っておくだけで、心に少し余裕が生まれるはずです。

教員からどんな仕事に移れるのかは、教員からの転職先、どんな仕事がある?おすすめ職種10選で紹介しています。

向き不向きはやってみて分かるもの

教員は、なりたくて大学に行き、試験を受けてなった人が多い仕事です。私もそうでした。

でも、向き不向きは、実際にやってみないと分かりません。教員が合わなかったからといって、あなたがほかに何もできないわけではないんです。

あき
あき

だから、自分を追い込まなくていいんですよ。

病気休暇と休職のよくある質問

教員の病気休暇・休職のよくある質問

最後に、病気休暇や休職について、よく聞かれる疑問にお答えします。

ここで紹介するのは、あくまで一般的な内容です。診断書の扱い、ボーナス、休職の回数などは、自治体の条例やルールによって違いがあります。実際に手続きを進めるときは、勤務先の事務の先生や教育委員会に確認してくださいね。気になる質問から、読んでみてください。

診断書は何日休むと必要?

自治体によって違いますが、1週間程度を超えて休む場合に、医師の診断書が必要になるのが一般的です。心の不調で長く休むときは、最初から診断書の提出を求められることが多いので、受診のときに主治医に相談しておくと安心です。

診断書の費用はどれくらい?

診断書は健康保険が使えないため、自費になります。費用は医療機関によって違いますが、数千円ほどが目安です。延長のたびに新しい診断書が必要になるので、その分の費用も考えておきましょう。

病気休暇中のボーナスはどうなる?

病気休暇や休職の期間によっては、ボーナス(期末手当・勤勉手当)が減ることがあります。どのくらい減るかは、休んだ期間や自治体の条例によって変わります。気になる方は、事務の先生に確認してみてください。

休職中に退職することはできる?

はい、休職中に退職することもできます。ただし、退職すると受け取れるお金が変わることがあります。傷病手当金も、条件を満たせば退職後に受け取り続けられる場合があるので、退職を決める前に共済組合や事務の先生に相談しておくと安心です。

休職は何回まで取れる?

回数そのものより、「通算の期間」で考えることが多いです。自治体によっては、復職してから一定期間内に同じ病気で再び休職した場合、前の休職期間と合わせて数えるルールがあります。くわしくは勤務先で確認してください。

私立学校の先生も同じ制度?

私立学校の先生は、公立とは制度が異なります。休暇や休職のルールは、それぞれの学校の就業規則で決まっています。休んでいる間の収入の支えとしては、私学共済などの傷病手当金がありますので、勤務先の規則とあわせて確認してみてください。

まとめ|辞める前にまず休む選択

まとめ|一人で抱え込まないで

追い詰められているとき、人は「辞める」か「続ける」かの2択しか見えなくなります。でも、その間には「いったん、しっかり休む」という道があります。

この記事のふりかえり
  • 病気休暇は最大90日・給与は満額が一般的
  • 病気休職は身分を保ったまま最長3年
  • 無給のあとも傷病手当金で約3分の2
  • 最初の相談相手は話しやすい事務の先生でも
  • 大きな決断は、休んで元気を取り戻してから

眠れない日が続いているなら、まずは病院へ行ってみてください。そして、学校の中で話しやすい人に、ひとことだけ伝えてみてください。

辞めるのは、休んで元気を取り戻してからでも遅くありません。あなたの心と体が、何より大切です。

あき
あき

一人で抱え込まないでくださいね。

辞めるかどうか迷ったときは、教員を辞めたい人へ|辞める前に確認したい8つのことも参考にしてみてください。

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