「おかあさん、おかあさん」
明日の授業の準備が終わらず、家で準備をしていたときのことです。「これだけは考えさせて、それまでは待って」と言っても、子どもたちは何度も私を呼びました。「静かにしてくれてたほうが早く終わるんだよ!」。そんな言葉を、何度も口にしていました。
- 終わらない授業準備
- 家でも子どもを待たせる罪悪感
- 休みの日も頭は仕事のこと
- 同僚のように早く終わらない焦り

持ち帰っても、ちっとも終わらないんです…。

私も同じでした。
今ふり返ると、つらかったのは仕事の量より、「これにしようかな、でもこれもいいな」と悩む時間でした。
この記事では、学級通信や手作りの宿題など、私が持ち帰りを減らすためにやめたことと、夏休みに前倒しでやってよかった準備をお伝えします。全部を完璧にやるのは、絶対に無理です。
持ち帰りがつらかった毎日

先生をしていたころ、私は毎日のように仕事を家に持ち帰っていました。
学校では、子どもたちが帰ったあとも会議や電話、ほかの仕事が続きます。自分の授業の準備にまで手が回らず、残りは家でやるしかありませんでした。
ここでは、持ち帰りがつらかったころの私の毎日をお話しします。
持ち帰りの中心は授業準備
家に持ち帰っていたのは、ほとんどが授業の準備でした。
明日の授業の流れを考えたり、使う資料を作ったり。毎朝4時に起きて準備をしていたこともあります。そのころの話は退職した本当の理由に書いています。
これだけ考えさせて待って
いちばんつらかったのは、子どもたちとの時間でした。
明日の準備が間に合っていないとき、私は子どもたちに「これだけは考えさせて、それまでは待って」とお願いしていました。でも、すぐに「おかあさん、おかあさん」と何度も呼ばれます。

家でも、子どもに「待って」ばかり言ってしまいます…。
静かにしてくれたら早いのに
「だから、これだけだから待ってって言ってるじゃん。静かにしてくれてたほうが早く終わるんだよ!」
そんな言葉を、私は何度も子どもたちに言っていました。本当は一緒に過ごしたい時間なのに、イライラをぶつけてしまう。それが、持ち帰り仕事のいちばんのつらさでした。育休明けのころの話は教員の育休明け復帰が不安【元教員ママ】1か月前から始めた準備にもまとめています。
つらさの正体は悩む時間

どうして、私の準備はいつまでも終わらなかったのでしょうか。
今ふり返ると、仕事の量そのものより、「どれにしようか」と悩んでいる時間が長かったのだと思います。持ち帰りが少ない同僚と自分を比べて、そのちがいが見えてきました。
これもいいなと迷い続けた
授業の準備をしていると、いろいろなやり方が思い浮かびます。
「これをしようかな…でも、これもいいな…」。そうやって迷っているうちに、時間がどんどん過ぎていきました。決めきれないまま夜が更けることも、めずらしくありませんでした。
経験のある先生との差
一方で、持ち帰りが少ない先生もいました。何がちがうのかを考えると、まず経験の差がありました。
何年も同じ学年や教科を受け持っている先生は、どんな授業がうまくいくかを知っています。だから、迷う時間が短いのです。
前の資料と判断の早さ
もう一つのちがいは、以前に使った資料があることと、判断が早いことでした。

一から作らずに、前の資料をもとに少し直すだけでいいんですよね。
私は、毎回一から考えようとしていました。自分でハードルを上げていた話は、教員に向いてないのかも…【元教員】離れて気づいた苦しさの正体にも書いています。
私がやめた2つのこと

持ち帰りを少しでも減らすために、私がやめたことが2つあります。
どちらも、子どもたちのためと思って続けていたことです。だからこそ、やめるのには勇気がいりました。でも、やめてみて困ったことはありませんでした。

学級通信を毎日から週1に
一つめは、学級通信です。以前は、毎日のように学級通信を出していたこともありました。
それを、週に1回にしたのです。回数を減らしても、伝えたいことはきちんと伝えられました。毎日の作成にかかっていた時間が、ぐっと減りました。
手作りの宿題をやめた
二つめは、手作りの宿題です。
手作りの宿題には、良いところもたくさんありました。クラスの進み具合に合わせて作れるし、1つの教科だけでなく、いくつかの教科を入れることもできます。ちょっとしたアンケートのようなものを入れられるのも楽しみでした。
でも、とにかく時間がかかります。持ち帰りを減らすために、思い切ってやめることにしました。
同学年のプリントを使う
手作りの宿題のかわりに、同じ学年の先生からいただいたプリントを使わせてもらいました。

ほかの先生のプリントを使ってもいいんでしょうか?

学年で同じものを使えると、子どもたちにとっても公平で安心ですよ。
前倒しでよかった準備

やめたことだけでなく、やり方を変えてよかったこともあります。それが、長期休みの前倒しの準備です。
学期中は、目の前の授業で手いっぱいになります。だからこそ、時間のある長期休みに、先の準備をまとめてやっておくことにしました。
7月まではなんとか駆け抜けた
1学期は、とにかく毎日を回すだけで精いっぱいでした。7月までは、なんとか駆け抜けたという感じです。
先のことまで準備する余裕は、正直ありませんでした。
夏休みに道徳の挿絵を準備
そこで、夏休みに、2学期以降の道徳の挿絵をまとめて準備しました。挿絵を全部コピーして、ラミネートして、黒板に貼れるように磁石をつけるところまでやっておいたのです。
一つひとつは小さな作業ですが、毎週やると意外と時間がかかります。まとめてやったことで、学期中の準備がぐっと軽くなりました。
少し余裕が持てた2学期
夏休みに準備ができたから、2学期は少し余裕が持てました。

まとめてできることは、時間のあるときに先にやっておくのがおすすめです。
毎週少しずつやるより、まとめてやるほうが早く終わることもあります。
持ち帰りを減らすコツ

私の体験をもとに、持ち帰りを減らすためのコツをまとめます。
どれも、今日からすぐに始められることばかりです。全部やろうとしなくて大丈夫なので、できそうなものを一つ選んでみてください。

迷う時間に区切りをつける
一つめは、迷う時間に区切りをつけることです。
たとえば「この準備は15分で決める」と時間を決めてから取りかかります。迷ったら、最初に思いついたほうを選ぶ。それだけでも、準備の時間はぐっと短くなります。
前の資料を学年で共有する
二つめは、前の資料や学年の資料を使うことです。
自分が前の年に使った資料や、同じ学年の先生の資料をもとにすれば、一から作る必要はありません。分けてもらったら、自分も作ったものを学年で共有すると、お互いに助かります。
持ち帰る仕事を決めておく
三つめは、家に持ち帰る仕事を、あらかじめ決めておくことです。
「家では明日の授業の流れを考えるだけ」のように決めておくと、家での作業がだらだら続きにくくなります。
※テストや成績など、子どもの個人情報が入ったものの持ち帰りには、学校ごとにルールがあります。必ず勤め先のルールに従ってください。
完璧をやめていい理由

持ち帰りがつらい先生に、私がいちばん伝えたいことがあります。
それは、全部を完璧にやろうとしなくていい、ということです。子どもたちのためにと思うほど、あれもこれもと手をかけたくなります。でも、それを全部続けるのは無理があります。
全部を完璧には絶対無理
私から言わせれば、全部を完璧にやろうとするのは絶対に無理です。
授業も、学級通信も、宿題も、全部を最高の形でやろうとすると、時間はいくらあっても足りません。どれか一つを手放しても、子どもたちとの関係はちゃんと続いていきます。
家族との時間を守る
持ち帰りを減らすのは、自分のためだけではありません。
「静かにしてくれてたほうが早く終わるんだよ!」と言わずにすむ時間を、少しずつ増やしていく。家族との時間を守ることも、先生として長く働くために大切なことだと思います。

完璧じゃなくていいと思うと、少し楽になります。
それでもつらいときは
工夫をしても、どうしても苦しいときもあります。心や体に限界を感じたら、まずは休むことを考えてください。病気休暇や休職のことは教員の病気休暇・休職とは?取り方と条件をわかりやすく解説に、辞める前に確かめたいことは教員を辞めたいと迷った2か月【元教員】辞める前に確かめた8つにまとめています。
持ち帰り仕事のQ&A

最後に、持ち帰り仕事について、よく聞かれる疑問にお答えします。
ここで紹介するのは、私の体験と一般的な考え方です。学校ごとの決まりもあるので、迷ったときは学年の先生や管理職に相談してみてくださいね。
持ち帰りはどれくらいが普通?
決まった「普通」はありません。ただ、毎日持ち帰らないと回らないなら、仕事の量か進め方を見直すサインです。まずは1週間、何をどれくらい持ち帰っているか書き出してみると、減らせるものが見えてきます。
テストや成績は持ち帰っていい?
学校ごとにルールがあります。子どもの個人情報が入ったものは、勤め先のルールに必ず従ってください。持ち帰りが禁止されているものは、学校の中で終わらせる工夫が必要です。
学級通信は出さなくてもいい?
学校や学年で決まりがある場合は、それに合わせましょう。私は毎日から週1回に減らしましたが、伝えたいことはきちんと伝えられました。回数より、続けられる形にすることが大切です。
宿題は手作りしないとだめ?
手作りにこだわる必要はありません。私は手作りをやめて、同じ学年の先生のプリントを使わせてもらいました。市販の教材や学年で共有しているものを使えば、準備の時間を減らせます。
子どもが小さいときはどうする?
持ち帰る仕事の量を、できるだけしぼることをおすすめします。家でやることを1つに決めておき、子どもが寝たあとや朝の短い時間で終わらせる形にすると、子どもとの時間を守りやすくなります。
持ち帰りがつらいなら辞めるべき?
すぐに辞めなくても、やり方を変えるだけで楽になることもあります。まずはやめられることを一つ探してみてください。それでもつらいときは、教員を辞めたいと迷った2か月【元教員】辞める前に確かめた8つで辞める前に確かめたいことを見てみてください。
まとめ|完璧より続けられる形

持ち帰り仕事がつらかったのは、量だけでなく、悩む時間が長かったからでした。全部を完璧にやるのをやめて、続けられる形に変えていく。それが、持ち帰りを減らすいちばんの近道です。
- つらさの正体は悩む時間
- 学級通信は毎日から週1に
- 手作りの宿題をやめた
- 夏休みに前倒しで準備
- 全部を完璧には絶対無理
まずは今週、やめられることを一つだけ決めてみてください。一つ手放すだけで、家で過ごす時間は少しずつ変わっていきます。

完璧じゃなくても、子どもたちにはちゃんと伝わっていますよ。
「向いてないのかも」と悩んでいる人は教員に向いてないのかも…【元教員】離れて気づいた苦しさの正体を、育休明けの働き方に悩んでいる人は教員の育休明け復帰が不安【元教員ママ】1か月前から始めた準備もあわせて読んでみてください。


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